ファミリーホームの課題と見通し

10月7日、久しぶりのファミリーホーム部会では、それぞれのFHが抱える課題と、今後の見通しを語り合いました。

アガぺビレッジ

福岡市が独自にグループホームの制度を作った時に4姉妹を受け入れたのがビレッジの始まり。グループホームは「キャンプヒル古屋敷ビレッジ」と名付けた。広大な農村ビレッジ地帯に子どものそれぞれの家族が点在しているイメージだ。現在、高2女子2人、中2男子2人、小5男子1人の計5人。FHが抱える問題は木村先生のたんぽぽホームと同じ。子ども同士の人間関係創成、一人子どもが転出、それに代わって新しい子どもが転入すれば全く初めからの関係造り、それに里親、スタッフは巻き込まれ四苦八苦する。30年間繋がっている隣に住む元里子は結婚して2児の母親、養育のアドバイスを自らの経験から語ってくれる。里親は里子の将来を心配して色々なことを要求するが、里子は「命が保証され生きていることが原点」と代弁する。子どもが様々な問題を抱えてなんとかしなければと思うけれど「いのち」を守るというのが里親の立つところと言うのだ。

元里子は「FHには限界がある。子どもたちの思い悩みが理解されていない。」とも。

子どもたちのことを理解してきたつもりでいたが、子どもの心の深い井戸に里親やスタッフの鶴瓶は届いていないのか。

子どもが大好きなので、子どもといると嬉しい。問題があるとファイトが湧いてくる。里親夫婦は感性と理性のバランスが必要、補い合って間違いを正しながら進みたい。スタッフとのパートナーシップも大切だと思う。僕は怒らない男なのだが、先日は本当に怒った。里子が大人を信頼出来る大人と認めていないと言うことがある時、冷静に話すことも大事だけれど、本当に怒らないといかん時もある。本気で怒ると子どもたちが変わる。

5年先の事。「FHの外側に、社会的養護を理解してくれる人、支援者を作っていこう」と思う。やっと私たちを見て里親になった人が2家族生まれ、子どもを預け合っている。FHを拠点に最初は点でも良いから、地域に理解者を作り、それが広がってゆけば、プライベートな子どものビレッジが出来て来るのではないか。

最後に「暴力や暴言」などへの対処の仕方については、それが起こらないように子ども同士、大人と子どもの関係の距離を適切に作ることが必要と思う。

それを私はHuman Distanceと名付けている。

 

たんぽぽホーム

ファミリーホームを始めて10年になる。定員6人だが、現在は高1男子、中3女子、中1男子、小4女子、小1男子の5人。現在5人でバランスが取れていて、5人のままが良いと感じている。一人がおかしくなると連鎖が起こり、バランスが壊れて、綱渡りの状態が続く。一人一人タイプが違う中で、バランスを取っていくのは難しい。実親引き取りが予定されていた子どもが、引取りが挫折し気持ちが乱れることがあった。しかし、しばらくすると落ち着きを取り戻した。自分で気持ちを整理してバランスを取り戻したのだと思う。トラウマを抱え、引きこもりや過去に自殺願望を持っていた子どももいて、この子が外に出る機会をどう作るか考えてきた。現在は本人に適した学校を見つけ、元気に通っている。随分自分たちの神経もすり減らされてきたが、子どもの持つポテンシャル(潜在能力)に引き寄せられ導かれてきたと思う。自立支援は一緒に職場を開拓することから始まるとして、FHをそのまま、B型継続支援施設にしようかと考えた時期もあったが、年齢を考えて断念した。今後の見通しとしては、ファミリーホーム本体は3年で幕を下ろし、新たな居場所として再出発の構想はあるのだが、FHのままの存続は考えていない。